特別区の面接は、第2次試験の「人事委員会面接」と各区で実施される「区面接」の2つを突破しなくてはなりません。
人事委員会面接に合格するだけでは特別区職員として働くことはできませんから、区面接対策はしっかり準備することが求められます。
また、人事委員会面接と区面接では形式や特徴が異なりますから、その違いや注意事項について把握した上で面接に挑む必要があるでしょう。
今回はそのような注意事項等も含めて、特別区の区面接対策とよくある質問について解説していきます。
※説明の便宜上、特別区Ⅰ類(一般事務区分)をメインに説明しています。
なお人事委員会面接対策については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

- 区面接の内容
- 区面接対策で重要なこと
- 区面接対策方法・注意点
- 区面接でよくある質問
- 区面接の注意事項(試験制度変更含む)
本記事の内容を参考に、区面接を突破しましょう!
採用までのプロセス
本題に入る前に、特別区の採用までのプロセスについて簡単に確認をしておきたいと思います。
→特別区人事委員会が主催していることから、一般に「人事委員会面接」と呼ばれる
→各区が主催していることから、一般に「区面接」と呼ばれる
ご覧いただくと分かるとおり、特別区では、面接試験が全部で2回行われることになります。
このプロセスは、Ⅰ類、Ⅲ類、経験者、障害者採用のすべての採用区分で同様となっています。
本記事で主に解説するのは、赤字で示した各区ごとの採用試験(区面接)についてです。
最終合格後に行われるこの区面接こそが、特別区職員になるための勝負どころです。

ちなみに、「各区ごとの採用試験」において「面接試験”等”」となっているのは、区によっては集団討論などを課すところがあるからです。
集団討論については記事の後半で解説します!
区面接の内容は?
さらに詳しく、特別区における面接試験の内容について説明をしておきたいと思います。
特別区の面接試験の内容をまとめると、下記の表のようになります。
①人事委員会面接 | ②区面接 | |
---|---|---|
実施日 | 第2次試験日 | 最終合格発表後 |
会場 | 大田区産業プラザPiO | 各区の本庁舎 |
形式 | 個別面接 | 個別面接、集団討論など(区による) |
時間 | 30~40分 | ・個別面接:15~30分 ・集団討論:30~60分 |
2つの面接試験における大きな違いとしては、「形式」と「時間」が挙げられます。
人事委員会面接は比較的長めの個別面接であるのに対し、区面接では15~30分程度の個別面接が行われます。
例え15分の面接であっても、区面接で気を抜いていると後に説明する「採用漏れ」になる可能性も十分ありますから、万全の対策をしていく必要があることは覚えておかなくてはなりません。
面接会場と日程をおさえる
次に、例年の面接会場と日程について紹介します。
(1)会場
特別区の区面接は各区の本庁舎で行われます。
つまり、「台東区役所」「品川区役所」などの庁舎内の会議室などで実施されることになります。
人事委員会面接ではパーテーションで区切られた空間でしたから、他のブースの受験生や面接官の声が聞こえてしまうという問題がありましたが、区面接の場合はそのようなことはありませんのでご安心ください。
(2)日程
区面接の日程は各区が独自に実施していることから、公表はされていません。
ただし、日程自体は提示日より後に組まれることになります。
参考までに2024年度の提示日程をご覧ください。
提示日程 | Ⅰ類採用 | Ⅲ類・ 経験者(1級職)採用 | 経験者(2級職)・ 障害者採用 |
---|---|---|---|
第1回 | 2024年7月22日 ※1 2024年7月30日 ※2 | 2024年11月15日 | 2024年11月15日 |
第2回 | 2024年10月8日 | 2024年12月13日 | ― |
第3回 | 2024年11月15日 | 2025年1月15日 | ― |
第4回 | 2024年12月13日 | 2025年2月5日 | ― |
第5回 | 2025年1月15日 | 2025年2月20日 | ― |
第6回 | 2025年2月5日 | ― | ― |
第7回 | 2025年2月20日 | ― | ― |
※1 土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気
※2 事務(一般事務)、事務(ICT)、福祉、心理、衛生監視(衛生)、衛生監視(化学)、保健師
ご覧いただくと分かるとおり、提示回数は採用区分ごとに1~7回となっています。
※経験者(2級職)と障害者採用は1回のみの「推薦」という形です。
この日程でいくと、例えば第1回目のⅠ類事務(一般事務)の提示日は7月30日ですから、7月30日より後に順次区面接が行われることになります。
多くの区では提示日から1~2週間以内に面接が行われますので、あらかじめスケジュールをおさえておきましょう。
また人事委員会面接では、どの採用区分も指定された日時の変更はできませんでしたが、区面接の場合には変更に応じてもらえる可能性があります。



特に社会人の場合には仕事との調整もあると思いますので、もし提案された日時が難しいようであれば相談してみるとよいかもしれません(必ず変更できるわけではありません)。
区面接から採用までのプロセス
具体的な区面接から採用までのプロセスは下記のとおりです。
※不選択の場合はSTEP1へ戻り次回の提示を待つ。
この一連の流れについて、詳しく解説していきます。
(1)第1回提示
最終合格をすると「採用候補者名簿」に登録され、区面接を受ける権利を得ることができます。
その名簿をもとに、特別区人事委員会が各区に対して最終合格者を推薦することを「提示」といいます。
早ければ当日中~数日以内に提示区から電話やメール等で面接日時の連絡がくるので、その区の面接を受けるか辞退するかを選ぶことができます。
ここで辞退した場合は次回以降の提示を待つことになります。
そして、提示区は成績や希望区などが考慮されますが、特定の区に受験生が集中した場合などは希望どおりに提示されないことも多々あります。
(2)区面接
本庁舎など指定された場所へ訪問し、面接等の試験を受けます。
多くの区では個別面接1回のみとなっていますが、区によっては集団討論などが課されている場合もあります。
(3)内定 or 不選択
区面接後は、内定か不選択(=不合格)のどちらかとなります。
内定となれば、晴れて4月から特別区職員として働くことができます。
不選択になると、辞退するときと同様に次回以降の提示を待つことになります。
その後、次の提示で区から連絡があった場合には再度区面接を受けるという流れです(これを最後の提示まで繰り返します)。
また不選択となった結果、そのまま採用されずに終わってしまった場合は「採用漏れ」といいます。
採用漏れは残念ながら毎年のように発生していますから、不選択とならないよう徹底した対策が求められます。
具体的な採用漏れの実態や対策方法については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。


区面接で重要なこと2選
ここからは、具体的な区面接対策の内容に入っていきます。
まずは、区面接対策を進める上で大切なことを2つ紹介しておきたいと思います。
(1)人事委員会面接を踏まえること
区面接での受け答えについては、人事委員会面接での回答と齟齬がないようにしておくのがベターです。
こちらの記事でも解説しましたが、人事委員会面接では希望区の面接官が含まれている可能性があり、同じ面接官が区面接にもいる可能性があるからです。
その面接官があなたのことを覚えているとは限りませんが、一貫した回答にしておくことに越したことはないでしょう。
また、人によっては人事委員会面接でうまく答えられなかった質問があるかもしれません。
人事委員会面接で聞かれたことが区面接でも聞かれるというのはよくあることですから、そうした質問については改めて回答内容を整理し、スムーズに答えられるようにしておきましょう。
(2)区に特化した回答をすること
人事委員会面接の対策用に作成した回答は、区面接でそっくりそのまま使用することはできません。
人事委員会面接は「特別区職員」を採用する試験、区面接は「○○区職員」を採用する試験ですから、基本は各区に合わせた内容とする必要があります。
もちろん、区面接においても「特別区の志望理由は?」といった特別区全体に関する質問や、「長所は?」などの個人に関する質問をされることも多いですから、こうした質問に対しては人事委員会面接で回答した内容をそのまま使用しても差し支えありません。
しかし、「○○区の課題は?」など、その区に焦点を絞った質問に対しては改めて検討していく必要があります。
そのため、人事委員会面接での回答がそのまま使えないものについては区面接用に修正しておくようにしましょう。
【STEPごとに詳しく解説】区面接の対策方法
区面接対策といっても、「何から始めればよいのか分からない」という方も多いと思います。
まずは、特別区Ⅰ類における具体的な区面接対策のプロセスについて、スケジュール例を紹介しますので参考にしてみてください。
なお、区面接の対策は人事委員会面接の対策やスケジュールを前提としていますので、まだご覧になっていない方は先に下記の記事を先にご確認いただくと分かりやすいと思います。


下記の例はあくまでも大枠になりますから、自分の苦手な項目については下記のスケジュールよりも早めに取り組むなどしてみてください。
~第1回提示(8月上旬~)~ |
~区面接(8月上旬~)~ |
これらの各STEPごとに、詳しく解説していきます。
(STEP1)区について研究する
区の研究は、人事委員会面接の3分プレゼン対策及び面接回答の作成と同時並行で進めていきましょう。
希望区について調べながら、それを参考に原稿や回答を作っていくイメージですね。
すべての区について調べる必要はありませんから、希望3区や気になる区を中心に調べていけば問題ありません。
ここで、各区を調査する際に使えるオススメトピックをいくつか紹介したいと思います。
①求める人物像
人事委員会面接では「自ら考え行動する人」という人物像が設定されていましたが、区面接ではそのような統一的な設定はなく各区ごとに採用方針や求める人物像が異なります。
この部分については説明会の資料やホームページなどに記載されていますから、一度確認しておくとよいでしょう。



その区が求める人材像を頭に入れておけば、志望動機や自己PRなどを作成する際に役立つと思います。
②統計情報
統計情報を知ることは、各区の特徴や実状を知る一つの指標となります。
例えば一般会計予算や人口などが挙げられますが、こうしたデータを漠然と収集するよりも、自分が関心を持っている業務や取組に紐づく情報について調べておくとよいでしょう。
「統計情報は覚えなくてはいけないのか?」と疑問が浮かぶかもしれませんが、必ずしも暗記しなくてはならないわけではありません。
ただし、これまでの受験生が面接で聞かれていることを踏まえると、ある程度覚えておくに越したことはないと思います。
詳細な数値までは分からなくても、「大体これくらい」と大まかにおさえておくだけでも十分面接で戦えるでしょう。
③構想・計画
各区では、定められた構想や計画に基づいて区政運営がなされています。
構想は「基本構想」や「基本方針」などと呼ばれる区政運営の最高指針となるもので、区が目指している目標ともいえるものです。
また、計画は「総合計画」や「○○基本計画」などと呼ばれ、その目標を達成するための具体的な手法等を記載したものです。
計画は2~3年単位で更新される短期的なものから、10年単位で長期的な施策の方向性を示したものなど、様々なものがあります。
構想や計画は結構ボリュームがあるため、細かい内容は後回しにして、まずは概要からザッと読んでみることをオススメします。
そのあと、より詳しく読み進めていく段階で自分の興味のある分野に絞って読んでいくとよいでしょう。
④取組・課題
人事委員会面接で特別区の取組や課題について聞かれることは多々ありますが、それは区面接でも同じです。
特に区面接の場合はその区に絞って聞かれることになりますから、区の取組や課題について調べておくことは非常に重要です。
ここは自分の挑戦したい仕事とリンクしていると説得力が出ますので、まずは自分の興味のある分野の取組・課題を調べてみてください。
例えば災害対策に興味がある場合には、その区で実施されている災害関連の施策について調べるといったようなイメージですね。
また、その区だけではなく他の区との比較を聞かれる場合もありますから、他の区の取組もチェックしておくことをオススメします。
「他の区の取組で知っているものはあるか?」と聞かれてスッと答えることができれば、「よく調べているな」と思ってもらえることでしょう。
⑤まち歩き
「まち歩き」とはその名のとおりまちを歩くことですが、公務員試験におけるまち歩きとは、自治体研究の一環として行う「まちの調査」のことを意味します。
この調査でのポイントは、住民目線でまちを散策することです。
区民の一人としてまちを散策すると大なり小なり課題が見つかると思いますから、その記録をしておきます。
そして課題だけではなく魅力などの良い面も見つけ、面接で使える幅広いネタを準備しておきましょう。
また、散策をする際には区役所や福祉関連施設などの公共施設にも行ってみてください。
窓口では職員と区民のやり取りを実際に見ることができますから、対応の様子なども記録しておくとよいでしょう。
その区で働きたいと言っていても「一度も行ったことがありません」というのではやや説得力に欠けますから、面接までに時間を見つけて散策することをオススメします。
特に、特別区が地元ではない方やつながりが薄い方は、可能な限り区内の様々な場所に出向いてみてください。
⑥地域活動への参加
地域活動に参加している受験生はそう多くはないと思いますが、だからこそ参加をしていると面接官の興味を引くことができます。
もちろん、参加をしていないと不合格になるというわけではありませんから、参加が難しい場合には無理をする必要はありません。
しかし、実際に参加してみると活動の意義や住民目線での改善点などが分かると思いますので、面接での話題が膨らむのは間違いないでしょう。
地域活動の例としては、町会や防災訓練、区が主催しているボランティアやワークショップなどが挙げられますが、そのほかにも区によって様々な活動が実施されていますから、各区のホームページなどで調べてみてください。
ちなみによくあるのが、「地域コミュニティの活性化に取り組みたい」と言っているのに、町会や自治会に一度も参加したことがない方や、「防災対策に取り組みたい」と言っているのに、自分では防災対策を何もやっていない方などです。
説得力がないと思われないために、自分が興味のある分野に関連する活動には参加してみることをオススメします。



特別区在住ではない方でも、地元や近隣の市区町村で実施されている活動で構いませんので、参加の余地がある場合には積極的に検討してみてください。
(STEP2)面接回答を準備する【よくある質問2選】
区面接でよくある質問は、大きく分けて「深掘り質問」「区に関する質問」の2つに分けられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【よくある質問①】深掘り質問
1つ目は、面接カードに記載されている内容や、受験生の回答に対して突っ込んで聞いてくるタイプの質問です。
これは人事委員会面接と同じですね。
例えば、ある区で下記のような面接カードを提出したとします。
私が〇〇区職員として取り組みたいことは、スポーツを通じた地域共生社会の推進です。私は、中学校時代からバスケットボール部に所属しています。大学では、〇〇区内のスポーツクラブで児童にスポーツを教える機会があり、スポーツが地域の活力となっていることを実感しました。この経験から、今後は職員という立場で〇〇区のスポーツ振興に取り組みたいと考えています。
面接官はこの文章を読んだ上で、疑問を抱いた部分について質問をしてきます。
“地域の活力”というのは、どのような場面で実感したのか?
○○区職員としてどのようなスポーツ施策に取り組みたいか?
このように面接カードに記載されていることについて、具体性を問われることになります。
人事委員会面接ほどの長尺試験ではないにせよ、やはり区面接においても深掘り質問がなされることは多い印象です。
職員として採用するに値する人物なのか、しっかり選考を行っているのでしょう。
【よくある質問②】区に関する質問
2つ目は区に関する質問です。
人事委員会面接と同様に取組や施策、課題など政策面に関する質問をされることになります。
人事委員会面接と異なるのは、人事委員会面接は「特別区全体」に関する質問であるのに対し、区面接は「その区」に関する質問である点です。
この質問では、例えば下記のようなものがあります。
- 〇〇区役所に来たことはあるか
- 〇〇区のまち歩きの感想を教えてほしい
- 〇〇区と地元の違いは何か
- 〇〇区と他の区の違いは何か
- 〇〇区の説明会に参加したことはあるか
- 〇〇区の課題は何か
- 〇〇区の取組で興味のあるものは何か
- なぜその取組に興味を持ったのか
どの質問も、その区の取組や課題、特徴などについて理解していなければ回答することは難しいでしょうから、区の取組等については事前にしっかり下調べをしておかなくてはなりません。
(STEP3)面接練習をする
人事委員会面接の対策と同様に、準備した回答を声に出して自分の言葉で話せるように練習を重ねます。
あわせて、人事委員会面接での反省点があればブラッシュアップも図っていきましょう。
ここで手を抜いてサボると、せっかくこれまでの面接対策で手に入れた”話し慣れ”がリセットされてしまいますので注意しましょう。



最後の最後で他の受験生に差をつけられないよう、徹底した面接練習が求められます!
(STEP4)模擬面接・模擬集団討論を受ける
面接練習を積んだら、模擬面接(と必要があれば模擬集団討論)を受けましょう。
模擬面接
人事委員会面接とは異なり、区面接の場合は「模擬面接を複数回受けるべき」とまでは申しません。
一度面接を経験しているので、自分の実力にあわせて受けるか否かを決めていくとよいでしょう。
例えば、これまで模擬面接の評価がイマイチだった方や人事委員会面接の手応えがなかった方は複数回受けたほうがいいと思います。
反対に、模擬面接の評価がよい方は実力が備わっていると判断できますので、何度も受ける必要はないでしょう。
模擬集団討論
ほとんどの区では個別面接が1回のみ(江戸川区は採用面談)となっている中、例年一部の区では集団討論が課されています。
集団討論を実施する区は減少傾向にあり、私が観測した範囲ですと、直近では下記の区で実施されたようです(次年度も実施されるとは限りません)。
文京区 | 集団討論(約60分) |
---|---|
豊島区 | 集団討論(約50分) |
集団討論では受験生の課題に対する姿勢や協調性、積極性などがみられていると考えられており、討論のテーマについてはその区の課題や時事的な内容などがテーマとなることが多いです。
そのため、普段からニュースなどで国の動向や各区の施策等の情報を収集し、積極的に発言できるようにしておきたいところです。
また、可能な限り予備校などが実施している模擬集団討論等に参加し、集団討論の雰囲気や形式に慣れておくと安心です。
(STEP5)面接カードを作成する
提示の連絡がきたら、区面接用の面接カードや履歴書がデータか郵送で送られてきます。
おそらく、区面接まであまり時間がない中で作成することになるので大変かとは思いますが、基本は人事委員会面接で使用した面接カードを軸に作成していけばOKです。
ただし、人事委員会面接で使用した面接カードは特別区全体を念頭においた内容になっているはずですから、提示区用に内容を改変する必要があります。
区面接はその区の職員となるための採用試験ですから、どの区にでも当てはまるような一般的な内容ではなく、「その区にこそ」マッチする内容を書くようにしましょう。
また、区面接の面接カードは設問が多い場合もあるため、届いたらすぐに作成し始めることをオススメします。
(STEP6)質疑応答・反省点をまとめる
面接が終了したら、質疑応答の内容と反省点を言語化しておきましょう。
どのような質問をされたか、その質問に対してどのような回答をしたかを整理しておけば、仮に区面接で不選択となった場合に活かすことができるからです。
考えたくはありませんが、もしも不選択になってしまった場合、その後のルートは「次の区面接でリベンジ内定」か「採用漏れ」の2つです。
次の区面接に向けて再挑戦する場合、次回の提示までに敗因を分析し、同じミスを犯さないようにしなくてはなりません。
そのためには、質疑応答の内容や反省点について振り返りをする必要がありますから、面接当日~数日以内(忘れないうち)にしっかりまとめておくようにしましょう。
また、最終的に次回以降の提示でどこからも連絡がこず、採用漏れという結果になってしまっても、落ち込んでいるからとそのままにしてしまうのは非常にもったいないことです。



ここでの反省は、他の併願先や来年以降の再チャレンジの際に必ず役に立ちますから、「公務員試験は二度と受けない」という方以外は復元作業を丁寧に行ってほしいと思います。
【必読】区面接の注意事項5選(試験制度変更アリ)
(1)提示日程の順番どおりとは限らない
先ほど、提示回数は採用区分ごとに1~7回となっていることを説明しました。
ここで再度、提示日程を確認してみましょう。
提示日程 | Ⅰ類採用 | Ⅲ類・ 経験者(1級職)採用 | 経験者(2級職)・ 障害者採用 |
---|---|---|---|
第1回 | 2024年7月22日 ※1 2024年7月30日 ※2 | 2024年11月15日 | 2024年11月15日 |
第2回 | 2024年10月8日 | 2024年12月13日 | ― |
第3回 | 2024年11月15日 | 2025年1月15日 | ― |
第4回 | 2024年12月13日 | 2025年2月5日 | ― |
第5回 | 2025年1月15日 | 2025年2月20日 | ― |
第6回 | 2025年2月5日 | ― | ― |
第7回 | 2025年2月20日 | ― | ― |
注意したいのは、必ずこの順番で提示されるわけではないということです。
例えば第1回の区面接を辞退もしくは不選択の場合、次の提示は必ず第2回の日程になるとは限らず、第3回や第4回となることもあるのです(ただし、経験者(2級職)・障害者採用については提示は一度だけとなっていますので、この限りではありません)。
そのため、たとえ次回の提示で連絡がこなかったとしても、その次の回の提示に向けて対策は止めずに継続することをオススメします。
(2)提示区=希望区ではない
提示の際には希望3区から連絡がくるとは限りません。
これは、特別区人事委員会が下線のように公式に案内しています。
特別区人事委員会は、原則として採用候補者の希望区を考慮し、特別区等へ高点順に提示します。
出典:特別区Ⅰ類採用試験案内
(採用予定や希望者の集中等の状況によっては、希望どおりに提示できない場合があります。)
希望区については考慮はされるものの、高得点順に提示されることが名言されていますね。
つまり、各区ごとの採用予定者数を超える人数が集まった場合には、最終合格の順位が高い受験生から連絡をしていくことになるため、順位が低い受験生は希望区以外の区から連絡がくる可能性があります。
この点は十分理解しておきましょう。
そしてここが重要なポイントですが、提示区が希望区ではなかったからといって辞退することは基本的にはオススメしません。
その後の提示で希望区から連絡がくる保証はないですし、序盤の提示で人員を充足してしまった場合は提示されずに終わってしまう可能性があるからです。
そのため、「希望区以外の区では絶対に働きたくない」という強い意志ある方以外は、その区で働くことを前向きに検討してみることをオススメします。
この点からも、どうしても希望区で働きたいのであれば可能な限り高得点を取ることが重要だとお分かりいただけると思います。
(3)不選択の可能性がある
区面接の連絡がきても、それは必ずしも合格を意味するものではありません。
区面接で落ちる(不選択となる)ことは十分にあり得るため、気を緩めずに面接に挑む必要があります。
不選択があり得る根拠としては、採用予定者数と最終合格者数の間に乖離が存在する点で説明がつきます。
例えば2024年度のⅠ類(一般事務)の実績を例に挙げると、採用予定者数が約1300人に対して、最終合格者数が約3000人となっています。
辞退者も見越しての人数であるにせよ、採用予定者数の倍以上の人数が辞退するとは考えにくいですから、区面接で不選択になった人は相当数いるでしょう。
そのため、「最終合格したからほぼ内定みたいなものだ」と軽く考えるのではなく、人事委員会面接と同じように力を入れた対策をすることが肝要といえます。
(4)採用漏れの可能性がある
ここまでの内容で既に説明していますが、採用漏れは残念ながら発生し得えます。
これは、特別区人事委員会が下記のように公式に案内しています。
提示された特別区等で不選択になった場合は、欠員状況に応じて、再び他の特別区等へ提示します。ただし、欠員状況によっては提示されず、その結果採用されない場合もあります。
出典:2025年度 特別区Ⅰ類採用試験案内
下線で示したとおり、最終的に採用されない場合もあることが明言されていますね。
そのため、採用漏れを回避するには可能な限り高順位での最終合格を目指し、区面接も抜かりなく対策することが重要です。



特別区職員として働くためにせっかく数か月間、人によっては年単位で対策してきたのですから、最後の最後まで気を抜かずに走り切ってほしいと思います。
なお、採用漏れの実態や対策方法については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。


(5)【試験制度変更】名簿の有効期間が延長された!
特別区Ⅰ類の名簿の有効期間は、2024年度より原則3年間に延長となりました。
これは、特別区人事委員会が下記のように公式に案内しています。
【Ⅰ類採用候補者名簿の有効期間延長について】
令和6年度から、Ⅰ類採用候補者名簿の有効期間を原則3年間に延長します。<採用希望年度の選択・変更>
採用候補者名簿の有効期間延長に伴い、採用希望年度の選択が可能になります。採用希望年度については、受験申込時に選択いただきます(令和6年度Ⅰ類採用試験の場合は「令和7年度採用希望」「令和8年度採用希望」「令和9年度採用希望」のいずれかを選択)。(原則各年度4月1日付採用)
採用希望年度を変更する場合は、第1次試験合格発表日(6月14日(金))から、最終合格後の特別区等の面接実施後、合格の連絡がある前まで申し出ることが可能です。<採用希望区の変更>
出典:2024年度 特別区Ⅰ類採用試験案内
令和6年度Ⅰ類採用試験【春試験】の採用候補者名簿登載者で、令和8年度又は令和9年度の採用となる方は、採用希望区を令和7年度以降のⅠ類採用試験【春試験】の申込期間に変更可能です【各年度1回のみ】。
ただし、採用希望区を江戸川区から他区・組合に変更することはできません(他区・組合から江戸川区に変更することもできません。)。
この部分は注意点が多く複雑ですから、詳しくまとめておきたいと思います。
採用希望年度が選択可能に!
2024年度より名簿の有効期間が延長されたことに伴い、採用希望年度が選択できるようになりました。
つまり2024年度受験生なら、2025年度(翌年度)・2026年度(翌々年度)・2027年度(翌々々年度)採用のいずれかを希望することができます。
2023年度までは名簿の有効期間が1年間で翌年度採用のみとなっていましたので、これは大きな変更といえるでしょう。
ただし、通常であればストレートに翌年度の採用を希望することになると思いますので、そこまで影響のない受験生も多いかもしれません。
採用希望年度は受験申込みの際に申告することになっているので、申込みの時点で採用希望年度を確定させておかなくてはならない点に注意が必要です。
また、採用希望年度を変更したい場合には、第1次試験合格発表日~区面接の合格連絡前までに申し出ると変更できるようになっています。
希望区の変更が可能に!
名簿の有効期間の延長に伴い、希望区の変更もできるようになりました。
注目ポイントは、採用希望年度が翌々年度もしくは翌々々年度の場合のみ希望区の変更ができるという点です。
従来どおり翌年度の採用を希望した場合には、希望区の変更はできませんので注意しましょう。
例えば2024年度受験生(最終合格者)で、2026年度もしくは2027年度採用を希望した方は、2025年度以降の同試験の申込期間中に変更できるという形になっています。
なお、希望区の変更は各年度1回のみとなっており、最大2回まで変更することができます。
また、希望区の変更については江戸川区のみルールが異なる点にも注意が必要です。
受験案内によると、「江戸川区→他区・組合」「他区・組合→江戸川区」に変更することはできないとのことなので、江戸川区を少しでも検討している方はよく考えた上で希望区に入れるかどうかを決定するようにしましょう。
もともと江戸川区は専願制を採用しているため、このようなルールとなっているものと思われます。
まとめ
今回は、特別区受験生に向けて面接対策の方法を解説しました。
特別区の面接試験は配点が大きいといわれていますから、高得点を狙うことが求められます。
区面接対策においては、区の情報収集に徹し、区で過去に聞かれた質問等を知り、回答を準備することで、着実に合格に近づきます。
区面接は人事委員会面接とは様々な点で異なりますから、それにあわせた対策を徹底して行っていきましょう。
なお、人事委員会面接の対策は下記の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

