本記事では、特別区Ⅰ類の事務区分「一般事務」と「ICT」を受験する方向けに、倍率や難易度、対策方法について詳しく解説していきます。
- 特別区Ⅰ類の試験制度
- 受験申込みから内定までの流れ
- 倍率・難易度
- 受験にあたっての注意点
- 併願のポイント
特別区の試験を受験するにあたっては、効率的な学習を進めるためにもまずは全体像を把握しておく必要があります。
森田りさ初めて受験する方にも分かりやすくまとめているので、特に初学の方は飛ばさずに最後まで読んでみてくださいね!
「特別区」とは?
細かい試験制度の説明に入る前に、まずは特別区の概要について確認しておきたいと思います。
「特別区」とは東京23区のことで、それら各区の区役所で働く地方公務員のことを特別区職員といいます。
23区は各区とも独立した自治体ではあるものの、職員の採用試験は共同で特別区採用試験という形で行っており、特別区職員として働くためにはこの試験に最終合格をした上で、さらに各区で行われる面接試験に合格をしなくてはなりません。
受験から内定までの流れを簡単に表すと、下記の3ステップのようになります。
- 特別区人事委員会が共同で実施する筆記試験
- 合格すると、第2次試験を受ける権利を得る
- 特別区人事委員会が共同で実施する面接試験
- 合格すると「採用候補者名簿」に登載され、区面接を受ける権利を得る
- 各区が独自に面接試験や集団討論を実施する
- 合格すると内定となる
また、特別区採用試験は主に「Ⅰ類採用」「Ⅲ類採用」「経験者採用」「障害者採用」の4つの採用区分に分かれており、それぞれ自分の年齢や職務経験等の受験資格に合った区分で試験を受けることになります。
※「氷河期採用」は2025年度から廃止されています。
採用区分ごとの主な対象者は下記のとおりです。
| 採用区分 | 主な対象者 |
|---|---|
| Ⅰ類 | 大学生 |
| Ⅲ類 | 高校生 |
| 経験者 | 社会人 |
| 障害者 | 障害を持っている人 |
これらの採用区分の中でさらに「一般事務」「ICT」といった事務系や「土木」「建築」「福祉」などの専門職に分かれており、自分の希望する職種を選択して受験していきます。
試験枠の種類は3つ
「Ⅰ類採用」は大きなくくりの呼び方であり、この採用区分の中でさらに複数の試験枠に分かれています。
もともと特別区Ⅰ類は春に行われる「一般方式」という1つの枠で長年試験が行われてきましたが、2023年からは「春試験(旧一般方式)」と「秋試験」の2枠が実施されるようになりました。
さらに2025年からは「早期SPI枠」が新設され、現在は全部で3つの試験枠があります。



このように特別区を含めて、近年の公務員試験は年間を通して採用試験を行うことが一般的になってきています。
早期SPI枠とは1次試験がSPI(適性検査)のみで実施される、いわゆる”公務員試験の対策が不要な試験”です。
全国どこからでも試験日を選択して受験することができるため、従来の試験よりも格段に受けやすくなりました。
また、春試験は教養試験や専門試験などが課される一般的な公務員試験のことで、最も採用人数が多く、多くの受験生はこの枠を受けることになろうかと思います。
そして、それぞれの試験枠で受験できる職種をまとめると以下のとおりです。
| 試験枠 | 受験できる職種 |
|---|---|
| 早期SPI枠 | 一般事務 |
| 春試験 | 一般事務、ICT、専門職 |
| 秋試験 | 一部専門職 |
ここで大切なのが併願についてです。
春試験と秋試験は併願することが可能ではあるものの、秋試験は一部専門職のみの募集となっているため、事務系を受験する場合には併願することはできません。
また、早期SPI枠と春試験の併願やⅠ類と経験者採用の併願もできない点に注意が必要です。
そのほか、早期SPI枠の詳しい試験制度や受験するメリット等については、下記の記事で解説しているので参考にしてみてください。


2025年度から「早期SPI枠」が新設された
- Ⅰ類(早期SPI枠)とⅠ類(春試験)は併願できない
- Ⅰ類と経験者採用は併願できない
- Ⅰ類(春試験)とⅠ類(秋試験)は併願できる(ただし春試験で合格していない場合に限る。事務系は併願できない)
- 前年度以前のⅠ類(春試験・秋試験)の採用候補者名簿に登載されている人は申込不可
受験資格
特別区Ⅰ類における主な受験資格は以下のとおりです。
- 日本国籍
- 大学卒(または卒業見込み)
- 1994年4月2日~2004年4月1日までに生まれた人
Ⅰ類採用は主に大学生を対象とした試験のため、受験生の年齢層としては20代が大半です。
とはいえ、22~31歳の方までが対象となっているため、社会人経験があっても経験者採用ではなくⅠ類採用の方で受験することも可能です。
試験日程
特別区Ⅰ類(春試験)における試験日程は以下のとおりです(2025年度の場合)。
| 告示 | 3月7日(金) |
|---|---|
| 申込受付期間 | 3月7日(金)~3月24日(月) |
| 第1次試験 | 4月20日(日) |
| 第1次試験合格発表 | 6月13日(金) |
| 第2次試験 | 6月30日(月)~7月11日(金)の間で指定された1日 |
| 最終合格発表 | 7月25日(金) |
| 各区ごとの採用試験 | 8月上旬~ |
| 内定 | 8月中旬~ |
告示とは試験の詳細(試験日程や各区の募集人数など)が発表される日のことで、告示と同時に申込みがスタートとなります。



早ければ申込みから半年ほどで内定が決まるスケジュールになっています。
なお、早期SPI枠のスケジュールは以下のとおりです。
| 告示 | 2月5日(水) |
|---|---|
| 申込受付期間 | 2月5日(水)~2月18日(火) |
| 第1次試験 | 3月4日(火)~3月17日(月) |
| 第1次試験合格発表 | 3月27日(木) |
| 第2次試験① | 4月20日(日) |
| 第2次試験② | 5月12日(月)~5月14日(水) |
| 最終合格発表 | 5月29日(木) |
| 各区ごとの採用試験 | 6月上旬~ |
| 内定 | 6月中旬~ |
受験申込みから内定までの流れとポイント
特別区は他の自治体と比較すると試験期間が長めに設定されているため、ゴール(内定)までの流れをしっかりおさえた上で、どのような戦略で試験対策を進めていくのか考えておく必要があります。
ここでは、特別区Ⅰ類(春試験)の受験申込みから内定までの流れについて具体的に見ていきましょう。
これらの各STEPごとに、詳しく解説していきます。
(STEP1)申込み
試験の申込み(エントリー)はWEB上で行い、主に以下の内容を入力します。
- 住所や学歴、職歴などの情報
- 採用を希望する区(3つまで)
- 面接カード(設問3つ)
これらのうち、採用を希望する区と面接カードについて補足説明をしておきます。
採用を希望する区(3つまで)
いわゆる「希望区」と呼ばれるもので、23区+3組合の中から自分が採用されたい区を3つまで選択することができます。
ただし、希望したからといって必ずその区で働けるわけではありません。
合格順位が高い受験生から順に希望区から呼ばれるため、希望区に行きたければ高順位で最終合格することが求められます。



このあたりは重要なので、本記事の後半で詳しく解説しますね。
なお、希望区を選ぶにあたっては「どこにしよう?」と様々悩むこともあると思います。
下記の記事ではオススメ区ランキングについて解説しているので、ぜひ希望区選びの参考にしてみてください。


面接カード(設問3つ)
面接カードでは、例年以下の3つの設問が与えられます。
(設問1)あなたが特別区でどのような仕事に挑戦したいか、あなたの強みと志望動機も含めて具体的に入力してください。(250字以内)※面接の冒頭に3分程度でプレゼンテーションしていただきます。
(設問2)あなたが一つのことをやり遂げた経験を挙げ、その中で最も困難だと感じたことと、それをどのように乗り越えたかを入力してください。(250字以内)
(設問3)目標達成に向けてチームで行った経験において、チームへの貢献につながったあなた独自のアイディアを、ご自身の役割とともに入力してください。(250字以内)
出典:2025年度 特別区職員Ⅰ類採用試験 面接カード質問
面接カードは第2次試験で使用する重要書類です。
申込み時に提出しなくてはならない点で、面接カードの作成が受験生にとって実質的な1次試験ともいえるでしょう。
提出後の修正等はできないため、構成や内容をしっかりと考えた上で作成しなくてはなりません。
具体的な面接カードの書き方や注意点については、下記の記事で別途詳しく解説しているのでぜひご一読ください。


(STEP2)第1次試験[筆記試験]
特別区Ⅰ類(春試験)の第1次試験は筆記試験で、「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3つで構成されています。難易度はいわゆる「大学卒業程度」というものです。
公務員試験の難易度は主に「大学卒業程度(上級レベル)」「高校卒業程度(初級レベル)」といわれるレベルに分けられますが、特別区Ⅰ類の教養試験の難易度は「大学卒業程度」の方で、難しい問題が出てくることもしばしばあります。
詳しい出題内容は以下のとおりです。
| 教養試験 (120分) | ■5肢択一のマークシート式 ※()は出題数 ①28題を必須解答 現代文(5)、英文(4)、判断推理(6)、数的処理(5)、資料解釈(4)、空間把握(4) ②20題中12題を選択解答 人文科学[倫理・哲学、日本史、世界史、地理](4)、社会科学[法律、政治、経済](4)、自然科学[物理、化学、生物、地学](8)、社会事情(4) |
|---|---|
| 専門試験 (90分) | ■5肢択一のマークシート式(55題中40題を選択解答・各5題) 憲法、行政法、民法①[総則・物権]、民法②[債権・親族・相続]、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学 |
| 論文試験 (80分) | ・課題式(2題中1題を選択) ・1,000字以上1,500字程度 |
なお、早期SPI枠の出題内容は下記のとおりです。
| SPI試験 (約65分) | ■テストセンター方式 ①性格検査(約30分)自宅等で受験 ※提示の際に各区に提供される ②基礎能力検査(約35分)全国のリアル会場またはオンライン会場で受験 言語分野、非言語分野 |
|---|
- 「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3つが課される
- 難易度は「大学卒業程度」
これらの内容を踏まえ、さらに「教養試験」「専門試験」「論文試験」のそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
教養試験
教養試験は5肢択一のマークシート式で、120分間で48題中40題を解答します。
教養試験には「一般知能分野」と「一般知識分野」といわれる分野があり、一般知能分野では文章理解(現代文、英文)、と数的処理(判断推理、数的処理、資料解釈、空間把握)が28題必須解答となっています。
一般知識分野では人文科学、社会科学、自然科学、社会事情が合計で20題出題され、そのうち12題を自由に選んで解答する形となります。



どのような問題が出題されるのか確認したい場合は、特別区人事委員会のホームページで直近3年分の過去問が公開されているのでチェックしてみましょう!
また、得点の目標としては多くの予備校で「6割」としているところが多く、実際6割(24問)程度取れていればまず問題ないと考えてよいでしょう。
- 5肢択一のマークシート式
- 解答時間は120分
- 48題中40題に解答する
- 得点率は6割を目指す
専門試験
教養試験は5肢択一のマークシート式で、90分間で55題中40題をすべて自由に選んで解答します。
法律系科目では憲法・行政法・民法①・民法②、経済系科目ではミクロ経済学・マクロ経済学・財政学・経営学、政治系科目では政治学・行政学、そして社会学が出題されます。
40題も解答しなくてはならないことから、ほとんどの科目について”捨てる”ことができないため、教養試験とあわせてしっかりとした対策が求められます。
教養試験と同様、こちらも6割以上は得点できるようにしていきましょう。
- 5肢択一のマークシート式
- 解答時間は90分
- 55題中40題に解答する
- 得点率は6割を目指す
論文試験
論文試験はいわゆる「課題式論文」といわれるもので、特別区の行政課題等について自分の意見を論述する形式です。
2題テーマが与えられ、そのうち1題のテーマを選択して論文を作成していきます。
文字数は1,000字以上1,500字程度となっており、一般的な地方上級の試験と比較すると多めです。
例として、昨年の出題テーマを載せておきます。
【2025(令和7)年度】テーマ①
本年4月に東京都ではカスタマーハラスメント防止条例が施行されました。本来、顧客等による苦情や意見、要望は、業務の改善などに繋がるものですが、一部には、就業者に対する著しい迷惑行為で、就業環境に影響を及ぼすことがあります。特別区においても、事業者の安定した事業活動の支援などを通じて、区民等の豊かな消費生活の向上を図ることが求められています。また、区職員の安全及び健康の確保も必要です。このような状況を踏まえ、カスタマーハラスメントの防止について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
出典:2025年度 特別区Ⅰ類 論文問題
【2025(令和7)年度】テーマ②
令和5年に東京都は「首都直下地震等による東京の被害想定」を踏まえ、女性や高齢者、障害者等の要配慮者等の視点を取り入れた東京都地域防災計画の修正を行いました。特別区においても、住民の生命・身体及び財産を保護するため、地域防災計画の修正を行い、震災対策の強化を進めています。一方、昨年の能登半島地震では、避難生活の疲労やストレスに起因する災害関連死が地震による直接死を上回りました。このような状況を踏まえ、地震に対する防災力の強化について、特別区職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
出典:2025年度 特別区Ⅰ類 論文問題



特別区Ⅰ類では論文の評価が極めて重要になるため、教養試験よりも論文試験で高得点を取ることが合格への最短ルートといえるでしょう。
- 形式は「課題式論文」
- 解答時間は90分
- 2題中1題に解答する
- 文字数は1,000字以上1,500字程度
なお、特別区における論文の出題傾向や対策方法については下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。


(STEP3)第1次試験合格発表
- 合否結果のメールが送られてきます。
- 合格者には2次試験の日時や会場が記載された案内が届きます。
(STEP4)第2次試験[面接試験]
特別区Ⅰ類(春試験)の第2次試験は面接試験です。
面接官3人対受験生1人の個別面接で、いわゆる「人事委員会面接」と呼ばれており、例年大田区産業プラザPioというイベントホールで行われます。
面接時間は30分程度となっており、エントリー時に提出した面接カードをもとに面接が進んでいきます。
15~20分程度で終わる自治体も多い中で、比較的長めの試験時間といえるでしょう。



特別区の配点は非公表となっていますが、これまでの合格者のデータを踏まえると面接試験の配点が高いと考えられます。
そのため、1次試験を終えたら早めに面接対策に取り掛かることをオススメします。
なお、第2次試験(人事委員会面接)の詳しい試験の流れや具体的な対策方法については、下記の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。


- 試験形式は面接官3人対受験生1人の個別面接
- 試験時間は30分程度
- 面接カードをもとに面接が進んでいく
- 特別区では面接試験の配点が高い
(STEP5)最終合格発表
- 第1次試験と第2次試験の結果を総合的に判定し、最終合格者が決定されます。
- 合否結果のメールが送られてきます。
- 最終合格者は採用候補者名簿に登載され、区面接を受ける権利を得ます。
- 最終合格者には区から「区面接」の案内が届きます(電話やメール、郵送など)。
最終合格をしたら即座に内定となるわけではなく、最終合格後に行われる「区面接」に合格することでようやく内定となる点に注意が必要です。
また、自分からどの区面接を受けるかを選ぶことはできません。
最終合格の順位や希望区などを考慮されて特別区人事委員会から各区へ提示されるため、希望区外から連絡が来ることもあります。
- 「最終合格=内定」ではない(区面接に合格したら内定となる)
- 自分がどの区面接を受けるかを選ぶことはできない(特別区側が受験生を選ぶ)
(STEP6)各区ごとの採用試験[面接試験等]
いわゆる「区面接」と呼ばれる試験で、特別区人事委員会ではなく各区が主催して採用試験を行います。
場所は各区の区役所で行われ、多くの区では個別面接形式を採用しています(一部集団討論を実施する区もあります)。
区面接の前には新たに面接カードの作成を求められることも多く、第2次試験と同様に気を抜かず徹底した対策が求められます。
区面接の流れを簡単にまとめると以下のようになります。
- 最終合格発表日以降に区から電話やメールで連絡が来る(早ければ当日中)
- 希望区から連絡が来ることもあれば、希望区外から連絡が来ることもある
- その区の区面接を受けるかどうかの確認をされる
- 区面接を受ける場合、日程等について連絡を受ける
- 区面接の日程は連絡を受けてから1~2週間以内が多い
- 各区の区役所で行われる
- 合否の連絡方法は区ごとに異なる
区面接の面接時間や雰囲気は各区によって異なります。
例えば15分程度の軽い面接もあれば、2次試験と同様に30分近く「THE・面接」といった雰囲気で行う区もあり、最後の最後まで気は抜けません。
なお、「提示」というのは特別区人事委員会から各区へ受験生を推薦することで、Ⅰ類の事務系では以下のようなスケジュールで行われています。
| 提示日程 | 早期SPI枠 | Ⅰ類(春) | Ⅰ類(秋) |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 2025年5月29日 | 2025年7月25日 | 2025年11月21日 |
| 第2回 | 2025年7月25日 | 2025年10月8日 | 2025年12月19日 |
| 第3回 | 2025年10月8日 | 2025年11月21日 | 2026年1月22日 |
| 第4回 | 2025年11月21日 | 2025年12月19日 | 2026年2月12日 |
| 第5回 | 2025年12月19日 | 2026年1月22日 | 2026年2月27日 |
| 第6回 | 2026年1月22日 | 2026年2月12日 | ― |
| 第7回 | 2026年2月12日 | 2026年2月27日 | ― |
区面接に関するよくある疑問
ここで、区面接に関するよくある疑問にお答えしたいと思います。
Q1. 区面接は何回も受けられる?
特別区Ⅰ類では全7回の提示日が設けられており、この提示日に区から区面接の連絡が来ることになります。
つまり最大で7回の区面接を受けるチャンスがあるということですね。
しかしこれはあくまでも最大というだけで、7回すべての回で提示があるわけではありません。
例えば、初回の提示では連絡が来なかったけれども3回目に連絡が来た、残念なことに1回も連絡が来なかったなど様々なパターンがあります(これは区側の事情に左右されるため、受験者側が予測することはできません)。
すなわち区面接は複数回受けるチャンスがあるものの、回を重ねるごとに採用人数が充足されていくことを踏まえると、序盤の回で受けていく(合格を勝ち取っていく)ことが望ましいと考えます。
Q2. 希望区ではない区から連絡が来たら辞退してもいい?
前提として、区面接は希望区から連絡が来ることもあれば希望区以外から連絡が来ることもあります。
このあたりは各区の定員や受験生の順位によって変わってくるため、私たちが予測することは不可能です。
そして、区面接は必ず承諾しなくてはならないわけではなく辞退することもでき、辞退した場合は次回以降の提示を待つことになります。
しかしその後必ず提示があるとは限らないため、例えば第1回目の提示で辞退したところ第7回目まで連絡が来ず、いわゆる「採用漏れ」となってしまう可能性も十分あります。
そのため、もしも”特別区職員として働くこと”が第一目標なのであれば、これもご縁だと思って呼ばれた区で面接を受けてみるのも一案だと思います。
なお、採用漏れの実態や対策方法については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。


Q3. 区面接で不合格になったらどうなるの?
区面接で不合格になっても、もう二度と区面接を受けられないというわけではありません。
辞退した場合と同様に次回の提示を待ち、連絡があれば区面接を再度受けることができます。
つまり、採用候補者名簿からの削除(区面接を受ける権利の放棄)を自ら申請しない限り、何度でも受けるチャンスはあるのです。
しかしQ1でも触れたように、回を重ねるごとに採用人数は充足されていくため、可能な限り序盤の回で合格を目指すことが求められましょう。
区面接で不合格とならないためにも、ぜひ万全の対策をしていきたいところです。
- 希望区から連絡が来るとは限らない
- 面接形式はほとんどの区で個別面接(一部集団討論を実施する区アリ)
- 試験時間は15~30分程度
- 区面接用に新たに面接カードを作成することが多い
- 区面接で不合格や採用漏れになることもある
なお、区面接の詳しい試験の流れや具体的な対策方法については、下記の記事で紹介しているので参考にしてみてください。


(STEP7)内定
- 区面接に無事に合格すると内定の連絡が来ます。
- 区面接で不合格だった場合は、次回以降の提示を待ちます。



内定をもらったあとは、入庁に必要な書類の提出等が行われるため、各区の指示に従って手続きを済ませましょう!
試験倍率・難易度
特別区Ⅰ類における過去5年分の試験倍率は以下のとおりです。
| 一般事務(春) | 採用予定数 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 1,095 | 6,080 | 2,541 | 2.4 |
| 2024 | 1,312 | 6,868 | 3,035 | 2.3 |
| 2023 | 1,181 | 7,668 | 3,013 | 2.5 |
| 2022 | 983 | 8,417 | 2,308 | 3.6 |
| 2021 | 874 | 9,019 | 1,881 | 4.8 |
| 一般事務(SPI) | 採用予定数 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 113 | 1,716 | 309 | 5.6 |
| ICT | 採用予定数 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 7 | 47 | 13 | 3.6 |
| 2024 | 16 | 59 | 27 | 2.2 |
特別区は毎年数千人が受験する人気の組織ではあるものの、基礎自治体の中でも規模が大きく採用人数も多いため、倍率は標準的な水準となっています。
自治体によっては10倍前後となることもあることを踏まえると、比較的挑戦しやすい試験だと思います。
また、第1次試験の合格者のうち2次試験を受けない受験生も一定数出てくるため、実際の倍率は記載されているものよりも少し下がります。
さらに近年は倍率が低下傾向にあるため、特別区職員が第1志望の受験生にとっては狙い目といえるかもしれません。



新たに新設されたICT職も今後、採用予定数が増える可能性も否定できませんので、検討している受験生は積極的に挑戦してみるとよいでしょう。
併願のポイント
(1)特別区受験生にオススメの併願先
特別区Ⅰ類を受験する方にオススメの併願先は、地方上級(都道府県庁・政令市)、市役所、国家公務員など多岐にわたります。
大きな理由は、特別区Ⅰ類の春試験は4月スタートと他の自治体の試験よりも1~2か月ほど早いため、多くの組織と日程が被らず併願をすることが可能だからです。
受験生の中には「併願はせず特別区に集中したい」という方もいるかもしれませんが、特別区の筆記対策や面接対策は他の組織の試験対策にも応用できるため、公務員への就職を第1志望としている方は積極的に併願を検討してみてもよいと思います。
ただし、組織によっては追加で対策が必要な場合もあるので、自身の負担にならない範囲で受けられるものを選んでいくようにしましょう。
(2)併願できない組織
特別区Ⅰ類の受験生が併願できない組織は、特別区経験者採用と東京都庁Ⅰ類B採用です。
※早期SPI枠は東京都庁Ⅰ類Bと併願できます。
特別区経験者採用は受験資格を満たしていても試験区分や受験の有無にかかわらず併願不可となっており、東京都庁Ⅰ類B採用は春試験と日程が被っているためそもそも併願することができません。
また、先述のとおり特別区Ⅰ類の早期SPI枠と春試験も併願することができないため、受験を申し込む前にどちらの枠で受験するのか決めておくようにしましょう。
まとめ
今回は、特別区受験生に向けて試験制度の概要や対策方法等について解説しました。
特別区を受験するにあたって、試験全体の流れや注意点についてご理解いただけたことと思います。
特別区への確実な合格を勝ち取るためには、筆記試験と面接試験の徹底した対策が不可欠です。
本記事の合間に紹介した記事も参考にしながら、ぜひ効率的に対策を進めていってください。

